●フロア補修

 まずはボディを搭載してしまうと作業し難い箇所から補修してゆきます。手始めは助手席フロアのサビ穴とアンダーフロアからです。このボディ、オレンジに塗装する際に大掛かりな補修を受けています。

 
 容赦なくブッた切ります。フロアが変形していたので板金して元に戻しました。3MのCNSベベルに似たディスクで、素地を痛めないシャイネックスで塗装とサビを落とし、POR15で処理します。シャイネックスはCNSベベルと同じくバックプレートが無いので、最後までシャブリ尽くせます。似たような商品を購入される際はバックプレートの有無を確認してください。コストパフォーマンスが格段に違います。
 ボディマウント付近は厚めの鉄板がスポット留めしてあり、当然シーラーは入っていませんので、錆びて貫通しています。JB31など新しいジムニーの整備書を観察すると解りますが、シーラーを沢山使用しています。SJ10、20がサビやすいといわれる原因の一つは、不十分なシーリングだと思います。

 
 一番左がベベルの新品、真ん中は極限までしゃぶり尽くしたシャイネックス、右はBSサビトルネードディスクの使用限界品。コスト的にはシャイネックスが一番高価で、次いでベベル、一番安いのはサビトルネードですが、使用限界は非常に早く、ベベルかシャイネックスがお勧めです。

 
 ボディマウント内部もPORを塗りこみます。既に貫通していますが・・・。ここは水が溜まるので長期放置車は要注意。下からの浸水は構造上少ないと思われ、腐食の原因は上からの浸水です。水が入ると抜けにくい構造ですので、ここのゴムキャップは通常シッカリと嵌めておいた方が良さそうです。
 アンダーフロアも徹底的にPORを塗りたくります。補強の内部まで、抜かりありません。大穴以外は新車の様子。

 
 運転席フロアです。広範囲にアルミ板が貼られていましたが、腐食穴は軽傷です。ボディマウントがサビに食い破られているのは助手席同様。どうやらPORを塗布した後に接着剤とタッピングビスでアルミ板を貼ったようです。この工法、我々素人には強い味方ですが、両面から処理しなくては耐久性が低いです。
 
 今回は表裏共にPORで防錆し、鉄板ないしはアルミ板をリベット+接着剤で補修することにします。

●凹みの板金
 
 PORが乾く間に、ボディを搭載してからでは補修し難い箇所に手をつけます。右リアの凹みですが、ここは裏から叩かないといけません。結構な勢いでぶつけた様子で、画像ではわかり難いですが深く折り目がついてしまっています。チョット鉄板を叩いたことのある人には解るのですが・・・・いやな感じの凹みですね。ここは鉄板二枚重ねです。


 こういった補修では、まずボディの凹みを手で引っ張ってみます。その程度では当然戻りませんが、そのときのパネル全体の歪み方でどの部分が鉄板を奥に引っ張っているのかが解ります。大きな衝撃を受けた場合は、凹むと同時に変形した他のパネルに引っ張られているという状況になりがちです。実際に引いてみるとリアフェンダーとボディの隅がたわみます。衝撃が波及してこの箇所が歪み、凹みを奥に引っ張っています。その証拠にフェンダーが微妙に歪んでいるのが解ります。

 
 まず、凹みを引っ張っているパネルから戻します。ここを戻さなくては、凹みをいくら叩いても鉄板が伸びるだけで応力は抜けません。すると後々パテ割れし、サビが噴出します。この凹み、オレンジに塗装してからついたもので、黒にする際にそのまま塗ったのが塗膜から解ります。この2箇所は叩くとサフが出てきますので、オレンジにする際に一度補修を受けています。恐らく2回ほど、ここを潰した様子。

 
 無事に元に戻りました。もっと板金上手になりたいですね。この恥ずかしい補修が後続車にずっと見られる羽目になります・・・。

 
 反対側は比較的軽傷で、叩いて補修しました。テールランプがきちんと一列に並んだだけで感動です(以前はガタガタ)。

 
 裏側はサビを徹底的に落として、こちらもPORで防錆しました。特にパネルの合わせ目にはタップリと塗りこんであります。全て終了後には更にシーラーを入れる予定です。